April 2741997

 チューリップ散って一茎天を指す

                           貞弘 衛

稚園や小学校の校庭の花壇に並び、子ども達と一緒に遊んだチューリップもそろそろ散り始める。愛らしく影ひとつない明るさが、学び始める子どもの心に溶け込む花だが、散ってしまえば誰も振り向かない。さびしく茎だけが天を指している。子ども達が何十年も後に知る心境である。(板津森秋)




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