April 2441997

 太陽を探しに遠足坂また丘

                           野沢節子

り日の遠足。いまにも降ってきそうだ。もうひとつ心が弾まない。自然に足どりも重くなる。坂道を登ったと思ったら、また前方に小高い丘が見えてきた。ヤレヤレ。なんだか、みんなで苦労して太陽を探しに来ているみたい。お弁当の時間まで、もう少しだ。ちょっとでいいから、晴れてほしいな……。と、曇天下の遠足を詠んだ句は珍しい。日本のどこかでは、今日もこんな遠足が行なわれていそうだ。(清水哲男)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます