January 311997
軒氷柱百姓の掌が一と薙す
細川加賀
どこかの私立中学の入試で「『氷柱』を何と読むか」という問題が出た。「こんな難問を出すから、受験地獄がなくならないのだ」と、ある新聞が書いていた。そうかなア。それはともかく、この句のように、農村の人たちにとって軒の「つらら」なんぞは出入りの邪魔物でしかない。子供の頃、こんな朝の光景はいつものことだった。それが、かくのごとくに句になってしまう驚き。土地の生活者と観照者との違いである。(清水哲男)
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