January 251997
冬旱眼鏡を置けば陽が集う
金子兜太
旱は「ひでり」。カラカラ天気。読書か書き物に少し疲れて、眼鏡を外して机上に置くと、低い冬の日差しが窓越しに眼鏡のレンズに集まってきた。暖かいのはありがたいが、そろそろ一雨ほしいところだ。そんな作者の心情だろうか。生まれつき目の良い人にとっては、わかりにくい感覚だろう。私も非常に良いほうだったので、目が不自由になってから、この句の味がようやくわかったような気がしたものだった。『金子兜太全句集』(昭和50年刊)所収。(清水哲男)
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