January 1611997

 仁王立ちの雀と見つめ合うしばし

                           田中久美子

合いがしらの猫とは、たまにこういう状態になってしまうことがある。雀とでも、見合ってしまうことがあるのだろうか。この句を読むと、ありそうな気がしてくる。しかも、その雀が仁王立ちというのだ。猫とちがって雀の脚は二本だから、なるほど、仁王立ちになれるのである。その姿がなんとなくおかしく、なんとなく可愛らしい。田中久美子は詩人だが、俳句をつくらせても巧いものである。詩誌「Pfui!」2号(1997・京都)所載。(清水哲男)




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