January 031997
初刷の選外佳作のうまさかな
木山捷平
昭和36年12月作。この句の選外佳作は小説であろうか、俳句であろうか。恐らくは俳句であろう。入選句ではなく選外佳作の方に面白味を見付けたところが、いかにもこの作者らしい。木山捷平の俳句はヘタな中にヘタの味というべきものがあって、余人には真似のできない句となっている。この句の季語は初刷。正確には新年に印刷されたものをいうが、この場合のように新年号を含むとしても良いだろう。『木山捷平全詩集』(講談社文芸文庫)所収。(井川博年)
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