December 23121996

 門松立て玻璃戸中なる鋸目立て

                           北野民夫

りがかりの小さな工務店でもあろうか。はやくも凛とした感じで門松が立てられている。ガラス戸の中を見るともなく見ると、主人らしい男が鋸の目立てに余念がない様子。作者は、この光景から主人の律儀な性格を読み取って、微笑している。東京あたりでは、こういう光景もなかなか見ることができなくなってきた。(清水哲男)




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