December 22121996

 あかんべのように師走のファクシミリ

                           小沢信男

ァクシミリから出てくる情報は、たいていが仕事に関わるものである。それでなくとも追い立てられる気持ちでいるところに、追い討ちをかけるような情報が届く。読まなくても中身はほとんどわかっているのだが、家庭用の機械からのろのろと吐き出されてくるロール紙を見ていると、まるで「あかんべ」とからかわれているかのようだ。わかりますねえ、この気持ち。小沢信男は作家だが、こうした時事句は、専門俳人こそもっと数多くつくってしかるべきべきだろう。『昨日少年』所収。(清水哲男)




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