December 16121996

 社会鍋ふと軍帽を怖るる日

                           田中鬼骨

会鍋は、救世軍の歳末慈善事業。軍服姿でトランペットを吹いたり、讃美歌を歌って募金活動を行なっている。東京では神田あたりに本部があると記憶しているが、定かではない。よく見かけるが、私は一度も募金したことはない。「軍」装にひっかかるのである。作者もここで、過去の軍帽の印象へと思わずも心が飛んでしまっている。もうひとつ、私はサイレンの音が嫌いだ。聞こえると、ビクリとする。瞬間、身構えてしまう。空襲警報に逃げまどった幼児期の記憶と重なるからである。大好きな春夏の高校野球大会のサイレンも含めて、聞きたくない。(清水哲男)




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