October 18101996

 秋の夜の君が十二の學校歌

                           清水基吉

書に「三十余年ぶりにて小学校時代の男女集ふ」とある。したがって、四十歳代の同級生交歓である。句の「君」は、誰を指しているというのでもない。強いていえば出席者全員、もちろん自分も含めての「君」であろう。「はるばると来つるものかな」の感慨が滲み出た佳句である。作者は元来小説家で、芥川賞作家でもあるが、最近は小説を発表されてないようだ。たまたま姓は同じだけれど、私と姻戚関係はない。『宿命』所収。その昔、ひょんなことから署名本をいただき、大切にしている。(清水哲男)




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