September 0291996

 モズ鳴けど今日が昔になりきれず

                           谷川俊水

水は、詩人・谷川俊太郎さんの俳号。小学三年生ではじめて俳句をつくったときに、つけたという。上掲の句は、最近(8月31日)、荻窪の大田黒公園茶室で開かれた余白句会での作品。私にはよくわからなかったが、八木幹夫と加藤温子が推した。作者の説明。いまどきめったに聞くことがない懐しいモズの鳴く声を聞いたけれど、このように現代の「今日」は、いま私たちが「昔」を懐しむというような感じでの「昔」にはなりきれないのではあるまいか。そういうことだそうである。散会のときに「インターネットに載せますよ」といったら、「英訳もつけてね」といわれてしまった。どなたか、挑戦してみてください。(清水哲男)




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