19960806句(前日までの二句を含む)

August 0681996

 原爆の日の洗面に顔浸けて

                           平畑静塔

島への原爆投下は、午前八時十五分だった。そのことを知る作者は、しばし洗面の水から顔をあげられない。やり場のない哀しみと、そして自分が今こうして生きてある不思議とを、瞑目しつつ思うのである。この作者の姿と気持ちは、そのままで黙祷する人々のそれと通い合っている。(清水哲男)




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