19960805句(前日までの二句を含む)

August 0581996

 木の根に晝寝餓ゑに酔ひたる如かりき

                           中村草田男

戦直後、昭和21年の作品。前書きに「ある人の打語れる話、自ら句になりて」とある。みんなが餓えていた時代。空腹もはるかに通り越すと、たしかに酔ったような心持ちになる。このまま、とろとろとあの世へ行ってしまっても構うものかという気分……。(清水哲男)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます