19960801句(前日までの二句を含む)

August 0181996

 旅終へてよりB面の夏休

                           黛まどか

でつくった句の典型。下手な句ではないが、この程度の発見で満足してもらっては困る。この国の詩歌が困ってしまう。いかにも、イマジネーションがひ弱いのだ。しかし、平成俳句の一断面として、記録しておく価値はあるだろう。作者について、同性の中野翠が「サンデー毎日」(6月9日号)で書いている。「……女だっていうことにそんなに甘えちゃいけない気がする。おじさんたちの純情にそんなにつけこんじゃあいけないような気がする」。『B面の夏』(1994)所収。(清水哲男)




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