19960712句(前日までの二句を含む)

July 1271996

 かき氷くづしどうでもよかりけり

                           奥坂まや

性でなければ、まずは絶対に書けない句。で、このかき氷をどうしたか。作者はきっと、たいらげてしまったはずである。すねているのか、かなり怒っているのか、そのへんの事情はわからない。けれども、男の場合は「くづし」たりもしない。手なんかつけないのだ。奥坂さんは神田神保町の生まれだそうだが、こういうときには、私だったらそれこそ神田の「ランチョン」あたりで、ひとりビールを飲むだろう。(清水哲男)




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