眼前にあるのはくらげだが、「物の命」によって原初の命そのものを私たちは見ることになる。先行するものとして、漱石明治二十四年の句に、「朝貌や咲いたばかりの命哉」があるが、虚子はいわば、くらげによって命の句の決定版を作ってしまった。(辻征夫)
『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます